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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2008年3月8日)

七種(ななくさ)と「暦開き」

前回は月暦正月明けの行事を紹介しましたが、正月は一週間おきに行事が立て込む忙しさ。七種(西暦2月13日)、小正月(暦開きの会、同2月21日)を終えて一段落し、今日(同3月8日)は早くも二月朔日を迎えています。

五節供行事は、今年は「月的生活デザインの会」に協力しようということで〈月〉の会・東京のメンバーが参加して会合を重ねてきましたが、五節供最初の人日=七種行事を、同会の運営のもと調布市仙川の「森のテラス」で開催。餅花作りや七種粥をいただくなど、季節にぴったりの行事を楽しみました。子ども7人を含む50人近くの参加者という盛況で、参加者一人ひとりが「ナナクサナズナ トンドノトリガ……ストトントントン ストトントン」と若菜叩きを体験する様は壮観でした。多くの方々が初めての体験とのことで、それぞれのライフスタイル再考のきっかけになってくれればうれしいことです。

写真その1 写真その2 写真その3
(調布市仙川「森のテラス」にて。各写真はクリックすると拡大します)

七草の節句を体験して
2008/02/23 稲田智子 (〈月〉の会・東京会員、
OZONE情報バンク 室内環境ラボマネージャー )
私たちは自然と共に暮らしていながら、その有難味に気づくことの少ない鈍感な生活をしています。七草の種類を覚えて、スーパーに並ぶちんまりした姿のものを買い、お粥を作って食べたところで、宿題をすませているだけの感じがします。

ところが、月暦の1月7日(西暦で2月13日)頃には、東京近辺でも自然形のままを摘むことができ、前夜にきざんでおくと、当日の朝には瑞々しい摘み草の勢いごとお粥仕立てにできるのです。この感動と出会うために、会のメンバーの41人と子供7人とが今年2月13日の夕刻から仙川の森のテラスに集まりました。

七草なずな、唐土の鳥が渡らぬさきに…≠ニ覚えたての鳥追い囃子を皆で歌いながら順番に包丁を握っているうちに、まな板の上の菜もどんどん細かくなり、手拍子に乗った男女の声に混じった可愛らしい声に誘い出されたかのように、やがて若菜の香りがしてきました。新春の七草の命をいただき、その勢いを借りて家族のその年の健康を祈った先人たちの知恵に触れた瞬間だったのかもしれません。自分の生活を豊かにするために、これからも七草の節句を祝っていきたいと思いました。

七種は「食」を考えるいい機会でしたが、「暦開きの会」=小正月は「身体」について考えることを恒例としてきました。今回も〈月〉の会会員の真矢さんにお願いして整体法の指導をしていただき、その後は今年も恵まれた素晴らしい十五夜の月の下で身体について討論しながら月見宴会に興じました。

写真その1 写真その2
(〈月〉の会・東京オフィスにて。各写真は
クリックすると拡大します)
世の中は「新型インフルエンザ」、肝炎、アスベストなどの問題がめまぐるしく次々に発生してパニック化している現代社会ですが、私たちの生活には自身の自律=自立した考え方、正確な情報や対処法をもたらしてくれる人間のつながりがますます重要なものになっています。今後とも、月のもとで身体の自然を見つめていきたいと考えています。

シドニーからの月
オーストラリアで暦をお使いのDさんから満月の写真が届きました。2月21日のもの。なるほど、南半球のウサギさんの恰好は違いますね。

〈月〉の会・長良川へ

長良川イヴェントの予定表
(上画像をクリック)
〈月〉の会は先日、西湘(小田原を初めとする神奈川の西部)で結成されましたが、今年は岐阜県でも作ろうという気運になっていることは以前のこの欄でも紹介して来ました。東京の会員の前田さんが中心となり、気運を盛り上げています。

八十八夜の5月1日にプレイヴェントを開き、8月15日から17日に至る、満月と重なる郡上八幡の「盆踊り」&「月入帯蝕」観望の画期的なイヴェントを計画しながら〈月〉の会が形成されていくと思います。岐阜と水の豊かさで知られる土地のひとつですが、月と水の親近性を踏まえて〈月〉の会・長良川の名称がいいなという方向になっています。前田さんに今後のプランを綴ってもらいました。どうぞこちらをご覧ください(クリック)。岐阜オリジナルの「水うちわ」というのはとてもいいですよ。

三日月信仰と二日月――お便りから

月暦新年に入り、ありがたいことに暦を愛用くださっている方々からさまざまな情報が寄せられています。福岡県の武田さんからは、三日月信仰について貴重なお便りが届きました。

『月的生活』を読ませていただきました。その中に三日月信仰のことが書かれてありました。たまたま今読んだ本、内村鑑三著『後世への最大遺物』(岩波文庫)の中に、内村の家の下女が高知から来ていて、彼女が毎月三日月様に豆腐を供えて、旦那様のために祈るということが書かれています。また七夕様にもいろいろお供えをして祈るということです。貴著の中には、岩手、静岡、三重のことが書かれていましたが、南の高知もそんな風習があったのだと。これは明治27年のことです。

昨年水戸に月の行事などを調べに行く機会があり、中央図書館にも出向いて調べ物をしましたが、司書の方がたまたま「三日月信仰について」という一文を見つけてくれました。筆者は榎本実さんで、「茨城の民俗」誌に掲載。1997年発表の研究論文ですが、その中に「三日月信仰に関する先学を探したが得られなかった」、という一文がありました。

このように、三日月信仰(二十三夜待ちなどもそうですが)は民俗学をはじめとする学問の対象にもなかなかならなかった習俗なのですが、多分全国的に営まれていたと思われるその深さ、広がりに比べ、記録欠如の落差が歴然としています。日本の近現代は月との縁を失った時代だと改めて思います。その欠落をひとつでも埋めてくださった武田さんに感謝。

三日月の前日、稀に見ることができる二日月。この二日月の存在を広くアピールしてきた「功績」は、「月と季節の暦」とこのホームページ(!?)。正月二日がお誕生日だという静岡県の天野さんのお便りを次に紹介します。以前この欄で石川県の写真家・桝野正博さんを紹介しましたが、この欄を通じて桝野さんとのご縁がまた広がりました。どうぞご覧ください。

月暦を使い始めて二年目になります。今年は手帳も使い始めてみました。月を待ち、月に祈り、月と眠り、月のリズムに内なる宇宙を感じてきた〜という文にとても心惹かれております。

さて、志賀さまのホームページのお便りコーナーにご紹介のあった桝野正博さまの写真集に感動しまして、不躾ながら、正月二日月の写真を撮って下さるようお願いするといういきさつがありました。残念ながら、私の住む袋井市では見ることのできた二日月も、石川県白山市の方では曇り空で写真撮影はかないませんでした。いつの日か、正月二日月の写真に出会える日まで待つこととし、桝野さんのギャラリーの中より月の写真を注文しました。月を愛する志賀さまにも差し上げたい旨お伝えしましたら、何点か新しいものも用意して下さいました。月の写真を楽しんでいただけたら幸いです。

届いたお便りとカード
ということで、桝野さんのフォトカード(右)を頂戴しました。フェイク=偽物の多い世の中で桝野さんのような本物と出会うと、心がまっすぐになります。再度桝野さんのHPアドレスを掲載しましょう(クリック)

天野さんは正月二日月をご覧になったということですから、2月8日のことになります。実は、明日3月9日が如月の二日月に当たる日。この文をお読みくださっている皆さん、どうぞ明日夕方、西の空にご注目を。この時季の二日月は、見られる確率が非常に高いです。

その他いくつか……

ミカン作りに大潮の海水を利用しているという村井さんが佐賀県から訪ねていらっしゃいました。本業は障害者施設の理事長というお立場ですが、あるきっかけからミカン作りに携わることになり今年で3年目。この間新月直後の有明海の海水を汲み、ミカンに与えたところ非常にいい結果を得ているとのこと。大潮の海水の酸素濃度、ミネラル分が関係しているのだろうとのお話でした。トマト栽培に海水を利用している農家もありますが、これも大潮の海水がいいとのこと。十月末に「全国海水(塩)農業セミナー」を計画しているというお話でした。

2月16日付「東京新聞」のコラム「コンパス」は、「伝統行事は旧暦で」を掲載、「石油を使って桃の花や七草を育てる必要がなくなるのだから、環境にも優しい」と主張しています。同紙にはまた三日後の19日に暦をお使いの矢口さん(茨城県)の投稿が掲載されています。「月の満ち欠け 生活の潤いに」とのタイトルのもと月暦への思いを綴ってくださったものです。ありがたいことでした。

〈月〉の会・東京の会員数は現在200人弱ですが、3月は会員登録更新の月です。会費は郵送料が主の年1000円だけです。月ネットワークの情報を郵便で発送しています。登録ご希望の方、どうぞご一報ください。(了)


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