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志賀 勝
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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2008年4月5日)

「清明」の日に

二十四節気「清明」の日にこの「一言」欄を綴っています。清明期の七十二候は「玄鳥至る」「虹はじめてあらわる」「鴻雁北す」。五日ごとに季節が告知されているのですから、細やかなものです。この七十二候はともかく「少なくとも二十四節気は全部覚えましょう」と月暦についてお話しするときは訴えることにしています。

月暦のメリットのひとつは、「春夏秋冬」が季節といった四つしかない粗い季節感ではなく、春、夏、秋、冬それぞれを六つずつに分け、合計二十四にも季節を分ける二十四節気がセットになっていること。これを記憶しながら七十二候が座右にあれば、残されている自然の営みが身近なものになること必定。

房総・八街の里にて

先日千葉県八街(やちまた)市で月見の会があって、ナシ農家の方がアレンジしてくれました。この農家の方は、立夏の七十二候第一候に「蛙はじめてなく」とあり、昨年はドンぴしゃりこの立夏第一候のときにカエルがなきはじめ感動したという話をしてくれまして、改めて七十二候の重要さを思い知った次第でした。

さて、この月見会は八街市の季節料理「今ぜき」で開かれました。ご主人の今関さんは以前から月暦の利用者で旧知の方。会食の時に月の話をといわれて参加しただけで、月見がどんな風に行なわれるか知らされていませんでしたが、食事もそそくさ、厨房を通って二階に案内された先は、何と月見台。この料亭には月見台があったのです。東に向かって広々とした台が設けられ、南と西の三面が見渡せるよう部屋が作られていました。ということは、月の出から入りまでの月見が楽しめるよう作った特別の空間ということになります。

今関さんは子どものころから月に魅せられてきたそうで、「追っかけ」のように月と対してきたらしいのです。そして、桂離宮などの建物に学びながら自分の料亭を月見のために設計したというのですからすごいことです。こういう方、やはりいるもんなんだなあとうれしくなってしまいました。月見台に上がるとすぐ、赤っぽい月が昇ってきました。雲もちょうどいい按配に月を隠したり、出してくれたりで、情緒ある月見とはなりました。この会が開かれたのは如月の十六日。西行のあの日です。今関さんは西行の「山家集」からお好みの月の和歌十首をコピーして十人ほどの月見客に配ってくれたのでした。

佐世保で、新しい二十三夜の集い

如月の満月は「月の紀行家」菅江真澄の勉強会で、そして十六夜は八街で観賞したわけですが、この月の二十三夜に〈月〉の会・佐世保で集まりがあったと、これまたうれしいニュースも飛び込んできました。先年佐世保で講演し、今では伝統的なものとしては絶えてしまった「二十三夜」の風習について話したことがありましたが、こういう話がきっかけのひとつとなって新しい形で現代の「二十三夜」が誕生したわけです。記念すべきことです。そのレポートをご覧ください。

〈月〉の会・佐世保 田中千鶴さんのお便り
清岩寺大師堂の空海像
境内に桜の花が美しく咲く如月二十三夜の当日、佐世保市内の古刹・福石観音清岩寺にて、『第1回・二十三夜健康セミナー』を開催することができ新たな動きが始まりました。

福石観音の名で市民に親しまれている清岩寺は、佐世保駅からすぐ近くの市街地にありながら森の緑に包まれた霊場で切り立った岩山を背景に本堂は屋根が背後の岩壁に食い込むように建てられています。

御本尊は、岩窟内にある高さ2.2mの十一面観音菩薩で奈良時代の高僧・行基の作と伝えられています(伝説では佐世保に立ち寄った行基が海中に霊光を放つ柳の丸太を見つけ、それを三分し三体の観音像を刻み、その一体を福石山に安置したと伝えられています)。710年行基によって開かれ弘法大師(空海)が唐からの帰路、行基を慕ってここを尋ね清岩寺を建立、裏山の洞窟(幅50m・奥行き最大7m・高さ3m)に五百羅漢を安置されたと伝えられてる真言宗の寺院です。

2006年11月3日に初めて志賀さんとお目にかかり、いきなりこの寺で「月への招待」と題して講演をして頂いた事を想い出します。志賀さんが講演会で“二十三夜石塔が三基も残る貴重で素晴らしいお寺”と話して下さいました時、心の中で、現代版二十三夜講をここから復活させ市民の皆さまに月の文化の素晴らしさ、大切さをお伝えしたいとお話に耳を傾けながら決意しておりました。それが実現したのです。

千手観音お手当て体操
当日は肌寒い雨の日でしたが、〈月〉の会以外の10数名の方が参加下さり、空海像が鎮座する大師堂で、月の招待ミニ版・二十三夜講のお話と健康講座を実技(千手観音お手当て体操)を取り入れながら行いました。参加者で鍼灸院の先生(旧暦・陰暦カレンダーを手作り・配布もされている)にもご協力頂き、暦や整体のお話しも加わり内容豊富な二十三夜講のスタートとなりました。参加者の方々からも大変喜んで頂き感慨深い日となりました。

ご住職の奥さまが月の会の活動に賛同して下さり、〈月〉の会のメンバーに加わって下さいました。高齢者の檀家さん達に二十三夜講について尋ねてみるともおっしゃって下さり今後がとても楽しみになりました。

思い返しますと2005年の暮れに“月と季節の暦”に出合い、翌年2006年6月9日に〈月〉の会・佐世保を発足。2007年見れるのがめずらしい、見るとラッキーと言われている二日月を、1月・2月・3月・4月と連続4ヵ月観る快挙(NPO長崎県天文協会会長松本直弥さんからの連絡のお陰です)にも恵まれ、月神様が見守られる中(?)、9月9日に住居兼店舗『結夢観月館(ゆめみづきかん)』をオープン! 『結ぶ』という言葉には、果実が実を結ぶように無から有を生むということや形のないものを形づくる、帝と繋がるという意味があるそうです。お月様を観ながら月的生活で夢結び(私が正に長年の夢でしたみんなと学び合える調理台のある部屋付き店舗を実現)のヒントを提供する館との意味を込め、屋号としました。

結夢観月館
2008年の『月と季節の暦』は、松本会長の佐世保市内から撮影されました皆既月食写真が表紙を飾り、店内でも話題となっております。〈月〉の会仲間から天文協会への入会者が増え、県内では最大のグループ(現在36名)となり、人数が増えた事により名ばかりの理事を仰せつかり、今年はまじめに天文の勉強会も始め、協会の方達とも協力しながら旧暦七夕祭りを呼びかけて参りたいと思っております。

2008年・主要イベントの状況など

〈月〉の会の今年の計画は、郡上八幡盆踊り・月蝕観望ツアー(8月15〜17日)と仲秋の名月を西浦田楽保存会の方々とともに迎えよう(9月14日)というのが大きいものですが(北秋田旅行はアレンジがまだ不十分で見送りとなりました)、郡上の旅行と〈月〉の会・長良川の形成のためには5月1日、岐阜市で催しが予定されています。14日には静岡県菊川市で「月と伝統芸能」と題して講演しますが、西浦田楽の存在をかつて私に教えてくださったのは菊川の方々で、この講演を機に静岡県水窪町西浦での仲秋の名月観月会に向け、人々の輪が育って行ってくれればと願っています。これら二つの予定について、どうぞスケジュール欄をご覧ください。

講演する志賀
東京アーユルヴェーダ研究会主催の
講演会にて(1月19日、東京・池袋)
去る1月19日に東京アーユルヴェーダ研究会主催の講演会でお話ししましたが、その際この研究会の方々が〈月〉の会に関心をもち、会に加わってくださいました。研究会の鈴木八重子さんに〈月〉の会会員紹介欄に自己紹介文(こちらをクリック)を書いていただき、アーユルヴェーダ研究会や私の講演についても触れていただきました。2月に「〈月〉の会・西湘」が発足しましたが、発足に当たっての岩越さんの一文(こちらをクリック)とともにご覧ください。(了)


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