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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2008年7月6日)

相次ぐ地震

地震が活動期に入ったといわれる日本列島、今度は「岩手・宮城内陸地震」が発生しました。宮城県栗原市には暦利用者や〈月〉の会会員が何人かいらっしゃり、お見舞いしました。栗駒山の電気のないところで温泉旅館を営む方のところでは湯が出なくなっているとのこと、心痛みます。会員の方からはお便りをいただきました。

「遠く離れた当地からも“ふるさとの山栗駒山”の崩落した山肌が望見されます。いかに現場の崩落がすさまじかったかと推察しております。……何度も訪れた栗駒山……被害者の方々の苦しみを思う時、やりきれない気持ちで一杯」、と文面にありました。皆様に心より見舞い申し上げます。梅雨の季節も不順な日本列島です。九州で毎年のように発生している大雨被害が今年も伝えられていますが、関東の梅雨は今年も不安定で、今にも明けそうな気配。今日は「盛夏の水無月」に入った四日月の日、いよいよ怖いほどの真夏がやってきます。

京都での懇談など

正法寺からの夕景
夕刻、正法寺から鷹ヶ峰方向を望む

京都の祇園祭が始まっています。知恩院の知り合いの紹介で、先日東山の森林を守るプロジェクトを立ち上げた方々と京都で懇談する機会がありました。京都市を眼下に一望し、太陽も月も落ちていく西に面した古刹・正法寺での懇談でしたが、このお寺の雰囲気はまるで『今昔物語』の説話世界に迷い込んだような異空間といった不思議な場所でした。昔の日本のたたずまいはきっとこのようなものだったろうと思わせるその不思議さに打たれながら、京都の祭事の昔の姿にも関係する今年の暦の特異性について話を聞いていただきました。

以前知恩院が発行する月刊誌に、前執事長の牧達雄さんが十六夜の大文字送り火について語っていたことがありました。お盆は月暦の七月十三日から十六日の祭事で、魂送りである十六日には十六夜の月が上がるというのが昔の時間の決まった約束事でした。大文字送り火は大分以前から西暦8月16日の行事に変更されていましたが、戦後の早い時期に十六夜の月が上がった中で大文字の火が入る光景を牧さんは見て、そのときの感動を語っていたのでした。

実は、今年、同じタイミングで送り火が行われるのです。昔通りの、七月十六夜。聖火が点火されるのは20時、月の出は18時10分(中央標準時)。東山から上がった月と聖火をともに目線に捉えながら、帰りゆく魂を想う機会となるでしょう。

二つの暦が出会う、世紀の七月

同じことは盆踊りにも言えます。月暦七月十五日も、やはり8月15日となるいわゆる「月遅れ」。盆踊りに欠かすことが出来なかった同じ円い月に今年は恵まれるのです。盆踊りは全国多くの人びとが楽しむでしょうが、今年こそは十五夜の月のもとで踊りの輪が作られるのです(夜9時ごろには南に向かう高い月が見られるでしょう)。そして、またまた実は、ですが、この15日が十五夜、16日が十六夜という月暦と西暦の一致は21世紀中で唯一のこと、と言えば、このタイミングのすごさが分かってもらえると思います。まさに世紀の出来事なのです。郡上八幡の盆踊りを私たち〈月〉の会・東京の面々は楽しむ計画で、〈月〉の会・長良川も立ち上がりますが、まさに天の計らいです。

祇園祭はもともと月暦六月十四日を中心に据えた祭事でしたが、この日は今年は7月16日に当たりますから、ほぼ昔と同じようなリズムで営まれることになります。先の懇談の流れで明日7日祇園の商店街の方々に呼ばれ、お話しすることになりました。今年の暦の重要性について聞いていただけるのはうれしいことです。

七夕もまた、8月7日が七月七日。「月的生活デザインの会」は七草からはじめて桃の節供、端午の節供と行事を積み重ねてきましたが、七夕は〈月〉の会も呼びかける形で地元・蔵前の榧寺とオフィスを使って催しを企画しています。京都の正法寺に梶の木があり、梶の葉が手に入ることになりました。古雅の趣の七夕が今回こそ営めます。

ライトダウンのすすめ

会員の藤田妙子さんから「月夜にはライトダウンを」という提案がありました。これまでも満月など月夜の催しにはライトを消したり、明かりが足りなければ和ろうそくにすることを心掛けてきましたが(櫨で作った和ろうそくは煙が立たず、穏やかな明かりで本当にいいものです。キャンドルナイトが盛んになりましたが、石油製品のパラフィン製ろうそくを使うのでは趣旨とは反対の自家撞着、是非和ろうそくがお薦めです。〈月〉の会・深谷の事業で販売しています)、この提案を機にさらに意識的に電気を使わない催しを企画していきたいと思います。会員紹介の欄に藤田さんにこの課題含めて一文をお願いました。どうぞご覧ください(クリック)。送ってくださった写真を見たら、乾知恵さんが書いた「月」の文字。私は今医学書院発行の「助産雑誌」に「月便り」を連載していますが、乾さんも最近までやはり同誌に連載していた方。ご縁ですね。

ちなみに、「助産雑誌」でこれまでの連載タイトルを紹介します。

  • 「カレンダーの尺度になる月」(1月号)
  • 「かぐやと嫦娥」(2月号)
  • 「8月17日の宇宙ショー」(3月号)
  • 「三日月と雛祭り」(4月号)
  • 「月は植物の主」(5月号)
  • 「現代農業は月から学ぶ」(6月号)
  • 「月読の持てるをち水」(7月号)
  • 「七夕とお盆と月」(8月号=予定)

新刊の発行予定について

お知らせしていた『新版 人は月に生かされている』の刊行がゲラを巡るトラブルで遅延しています。この本の前に、『月 曼荼羅――384話月尽くし』が遠からず刊行の運びです。

このほか、「美的」(小学館)が9月号で月の特集とのことでインタヴューを受けました。7月下旬発行とのこと。

石川県にも〈月〉の会

〈月〉の会・長良川がお盆のときに発足の予定ですが、石川県でも八朔の日(8月31日)に発足の運びとなりました。催しの案内をご覧ください(クリック)。(了)


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