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月と季節の暦とは
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志賀 勝
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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2009年1月17日)

寒中らしい寒波の便りが各地から届いたこの頃ですが、東京ではカラッカラの晴天が続いていて、お蔭で月は毎日変化する姿を見せてくれています。昨夜も下半分を輝かせて、下弦近くの黄金の月が妖しく上がり、浮かびました。師走の月も細くなってきました。丑年の新年がすぐそこまで近づいています。月暦を利用している方々は、新年の到来を今か今かと待ち望んでいる時節かと思います。今日は極月(ごくげつ)十二月の二十二日、新年明けまでもう十日もありません。

新しい暦販売の時季はオフィスに閉じこもり状態、FAXやメール、電話での注文を受け、発送をし、清算をチェックするという仕事に毎日勤しんでいます。ルーティンワークに忙しい日々ですが、この時季は月や暦に関わるさまざまな情報が入ってくる時季でもあって、既知、未知の方々からの電話、お便りをもっぱら楽しんでいます。

「新月の木」に新証言!?

以下にお二人の方の話を紹介しますが、林業、漁業に関する重要な情報で、かねてから突っ込んで知りたいと願っていたもの、今後是非取材しなければと強く印象付けられた情報です。

1.建材などを新月を目印に伐採する方法が日本にもあったかどうかについては曖昧模糊としたところがあります。記録されたものがなく口伝の世界の話ですし、伝統的な仕事がどの分野でも断絶した20世紀の長い時代が続きましたから、無理もありません。ひょっとするとこの点について私たちの欠落を埋めてくれるかもしれない情報が宮崎県東臼杵郡のある村から寄せられました。

Nさんという72歳になるその方が住む村では、「新月伐採」が村の伝統だったとのこと。新築を考えている家では伐採する木を早くから選んでおき、伐採の時期は新月時を選んで行っていたといいます。この伝統が断たれたのは敗戦後だったようですが、Nさんはじめまだその状況を知る人が残っているとのこと。

2.漁業は月=海のリズムで成り立つ産業で、漁民は月の暦を座右に仕事をしているわけですが、漁業の実際に即して具体的な話を是非聞きたいものだとかねてから願っていました。

茨城県日立市の漁業従事者のKさんから暦のバックナンバーを求められました。大潮のとき魚がどのように動くかについてずっとみてきたとのことで、鹿島灘でのその経験は30年に及び、蓄積したデータと月の暦の関連を点検したいとのことでした。その結果を後日教えてくれるとのこと。

このほか、幻の月=三体月についての書籍を教えてくれた愛知県知立市の方からのお便りが届きましたので、紹介します。

「月の暦、楽しませて戴いて居ります。ヒマラヤ山中で青い月光に魅せられ、再会を願っていましたが、つい先月越後の深山の小屋にて深更トイレに出て再会、月がとっても青いから……の歌を口ずさみました。三体月を『月的生活』で知りまして、数年前の熊野中辺路を歩きました節、現地を通過して一入三体月に思い入れありました。たまたま寸暇を得て中断していた図書目録を作成中、三体月、幻日の記事所載の本を見出しました。特に「夜空に踊るトリプルムーン」として明快な写真、理学的解説があり、驚いたり喜んだりでした」。その本は『日本不思議旅行ガイド』(武田康男著、(株)にじゅうに刊)だそうです。

三体月はトリプルムーンという英語名があるのですね。あるいは世界でも知られた現象なのかもしれません。「月の三部作」のそれぞれの本で「二十三夜」や「二十六夜」の月待ち風習とともにこの幻月=三体月について論及しましたが、特に『月 曼荼羅』では三体月を実見した人の証言を紹介しています。この現象が、架空の信仰的な話ではなく、自然現象として実際に発生することをもとに信仰的なものへ昇華していったのだろうと確認できることはうれしいことです。

月暦の普及に連れ二日月についての関心が高まったという経験があり、「月の復興」を考える者にとって一つの発見でしたが、三体月についてもこうして注目する方がいて新たな情報を提供してくださる、実にありがたいことでした。

佐世保、加越能、長良川の活動報告

さて、月暦新年を前にし、活発に活動している各地の〈月〉の会のメッセージを掲載します。長崎県佐世保、石川県津幡郡、岐阜県郡上からのメッセージです。

〈月〉の会・佐世保 田中千鶴さんのお便り
霜月二十三夜

〈月〉の会・佐世保では、日常生活に取り入れやすい役立つ情報を、恒例二十三夜会で実習しております。

最近読んだ医者の書いた本に、日本には季節に応じたすばらしい文化や伝統があり、五感をフルに活用したもので知らず知らずのうちに幸せを願い成長に感謝する、心を静める儀式を行っている。もう一度伝統文化を見直し、生活の中にゆとりのある時間をどこかで持つように(心と体は連動していて病気をつくっているのは心と表現されていた)と締め括られておりました。

『伝統行事は、健康行事でもある』と、再確認し、二十三夜会・月的生活の充実を図って参りたいと燃えております。

霜月二十三夜会(12月20日)は、「お節料理」をテーマに催し、魚のさばき方から始まり持ち寄った料理も味わいながら賑やかな会となりました。

お節料理は、五穀豊穣を願い・家内安全・子孫繁栄の祈りを込めて縁起の良い食材の名にこと寄せ、海の幸・山の幸を盛り込んであります。

鯛「めでたい」、黒豆「まめ(健康)に暮らせるように」、昆布「よろこぶ」、栗きんとん「黄金(お金)に困らないように」、海老「腰が曲がるまで長生き」、数の子「子孫繁栄」、蓮根「見通しが良い」、ごぼう「しっかり根を張る」、干し柿「シワを老人の肌に見立てて長寿・柿の木も長寿」、里芋「一本の苗から沢山の芋が収穫できることから子孫繁栄」、ごまめ(田作り)「いわしの干物を田んぼの肥料にしていた事から豊作の願い」

冬が旬のかぶを菊花かぶりにしたり、医者いらずといわれる大根(消化酵素も多い)と人参で紅白なますにしたり、目を楽しませてもくれるお節料理です。

めでたさを重ねるという意味も込め重箱に詰められており正式には控えの重である五の重があるとする説もあり、五の重は、将来よいことが起きるようにと福を呼び込むようからっぽになっているそうです。

いろいろ調べている内におもしろく楽しい薬膳お節料理と気づかされました。

みなさまも月暦のお正月に幸せがぎゅう(牛)っと詰まった薬膳料理で丑年をスタートしてみられませんか。
〈月〉の会・佐世保 川口まゆみさんのお便り
神無月朔日(10月29日)に「海水農業セミナー」に田中千鶴さんと出席。志賀さんとは、福石観音での「月への招待」と題した講演会から2年振りの嬉しい再会でした。

佐賀西部コロニーでは海水みかんやトマトの他にも海水ミネラルと薬草を飼料にした卵やハーブクッキーも製造されており、私も以前より無農薬で野菜作りをしたり、ハーブや薬草を育て、ケーキやクッキー・薬茶・入浴剤なども手作りし、仕事としても活かしておりましたので大変有意義なセミナー参加となりました。

薬草に親しんでいたということで神無月二十三夜会(11月20日)での「薬草賢究会」をゆめみづき館で担当させて頂きました。私達〈月〉の会・佐世保では以前行われていた二十三夜講を復活させようと思いを寄せる人々が集まり、今回もそれぞれの思いを語り、自分の健康又、大切な家族や友のことを思いながら身近な自然の中に育つ木や草花を利用して、お茶(薬草健康茶)、入浴剤、薬酒を試飲し、触れて作るという体験をしてもらいました。

使用した薬草は、佐世保市内、山合いにある手を伸ばせばどこにでもあるもの(ヨモギ、ビワの葉、カキの葉、ツバキの葉、イガクリ、ヤナギ……)を利用。昔から民間療法として伝承されていた雑草と呼ばれていた薬草を薬もない時代に祖先が永年の経験で生みだした健康法を知れば知るほど、先人達への感謝と薬草のすばらしさを次の世代に引き継いでもらいたいと感じております。きっと昔盛んだった二十三夜講もこのような形でお互い知恵を出し合い助け合ってきたのではないかと感慨深く思いました。

志賀さんの著書『月的生活』や『月曼荼羅』に紹介されている月の文化も参考にしながら自然の奥深さと知識を持てば誰にでも平等に与えられている大自然・大宇宙の恩恵を感じながら、身近な心身の健康法もあるということを定期的に学び合っていきたいと思っております。
新暦正月のおたより
〈月〉の会・加越能
旧暦の師走ではありますが、どなた様も、明けましておめでとうございます。

〈月〉の会・加越能、会員数31名にて船出、名前の通り、加賀、越中、能登に分散した人達で構成され、2年目の本年は、3回目のイベント1月11日(日)「満月と新蕎麦を愛でる」と題して、会員の仲間の中山さんが講師として、古式にのっとり蕎麦教室を行い、又打ち方を教えてもらいました。当日55名出席、月と蕎麦の関係の話等,多彩に渉っての内容にて終了致しましたことを御報告し、感謝する次第です。今後とも一層のご協力をお願いします。

又会の方向性としては各4地域内の皆さん方たちで、年間1回以上のミニ研究会を実施その地方の風土、習慣、慣習など、月の文化を掘り起こして頂き、全体研究会にて発表(年1回)。そして月暦で暮らす文化イベント(セミナー)を行い、現代における、日本人の生活に一端を投げかける、活動を実施したく思っております。

明治以来途絶えた家の制度、月暦、親の後姿や語り部的な、文化の伝授等、月のパワーを復活して、日本の先祖が培った伝承を後世の子孫に残す役目として、捉えたいものです。
世話人 岡田、俵、加茂
パホーマンス 手振り脚ぶり、
楽しかったですね!
61杯 打ち立て
ご苦労様でした。
〈月〉の会・長良川 前田真哉さんのお便り
〈月〉の会・長良川は昨年夏に開催された「月におどり水と遊ぶ・長良川ツアー」をきっかけに結成されました。

私達の取り組みの特徴は、イベントを開催し集客するという規模の大きなものではなく、長良川流域で暮らす地域の人々がその土地に残る旧暦の暮らしや年中行事に焦点をあて、ほぼ口コミで小さな会合を続けている点にあります。

今年の冬至である12月22日には、その仲間達とともに岐阜県揖斐川町に残る冬至暦の奇祭に、日の昇る早朝から参加してきました。その後は、地域にのこる麻づくりの文化を伝承していきたいとがんばっている若者の活動など見学しました。

1月14日には、飛騨・伊太祁曽神社に残る年占いの「管粥神事」を鑑賞し、麻の文化を取り戻そうという「麻ひらき」のイベントに参加する予定(制作室註:1月13日現在)です。

月暦新年後には、七草粥、小正月などの年中行事を長良川流域で取り組みたいと思っています。また、昨年夏のツアーでお邪魔した白山長滝神社の若宮宮司さんにお願いし、白山信仰と水の文化についてお話を伺う機会を作りたいと考えています。

日程など決まりましたら月の会の通信でご案内させていただきますのでその節はよろしくお願いします。

初夢カードのご注文、お急ぎください

当暦制作室では、2009年も書家・池上博子さんの制作による「初夢・宝船カード」を発売しています。宝船の絵に「長き世のとおの眠り(ねぶり)の皆目覚め、波乗り船の音の佳き哉」という回文を添えた縁起物です。月暦大晦日〜元日(西暦2009年1月25〜26日)の枕に敷いて、どうぞ丑年のいい初夢を願ってください。

価格は税込み900円(カード800円+送料)。Eメールまたはファクスに「初夢・宝船カード希望」と明記のうえ、郵便番号・ご住所・電話番号・お名前・ご注文数を「月と季節の暦制作室」(Eメール tsuki@globe.ocn.ne.jp 、ファクス03-5246-5589)にお知らせください。代金は、商品到着後に郵便振替用紙にてお支払いください。なお商品の特性上、ご注文期限は2009年1月23日までとさせていただきます。


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