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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2009年6月20日)

〈月〉の会の催しを振り返ると……

ローカルな文化力を重視しているのが〈月〉の会です。〈月〉の会を冠する団体は現在全国十数か所に形成されていますが、全国組織ではなく、それぞれの地域で〈月の文化〉をもりたてようと活動している地域団体、したがって〈月〉の会はその総称ということになります。各地で、オリジナルで地方色ある文化が育つよう心掛けているわけですが、〈月〉の会・東京では、東京での活動ばかりでなく、私が制作する月暦利用者が全国にいるという状況を基盤として、全国各地での文化活動にも力を入れ企画してきました。これまで様々な催しを企画・運営してきましたが、毎年1、2回は大きな催しを試みようとの構えで、中でも大掛かりなもの(企画に費やした労力や参加人員の多さ)を列挙してみると次のようなものがありました。

(各画像はクリ
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月の秋
月の高野山
日月 二見
2003年9月 「月の秋」の催しを三箇所で開催。「月の秋・東京」(9月7日 池上・實相寺)、「月の秋・仙台」(9月9日 仙台市・資福禅寺)、「月の秋・糸魚川」(9月27日 糸魚川市の古民家仁兵衛書林)

2004年8月 「月の高野山 ─讃十五夜満月 月尽くしを楽しむ夕べ─」(月暦の七月望=8月30日 主催・高野山金剛峯寺、共催・〈月〉の会)

2005年6月 「日月 二見 ─月と太陽が満ちるとき─」(月暦の五月望で夏至でもある日 三重県伊勢市・賓日館)

同年8月 「秋立つ日 夕月を待ちながら」(月暦の七月三日月の日で立秋でもある日 東京・台東区民会館ホール)

熱海 月映え
列島巡礼 十和田・弘前編
月待ち in 天竜水窪
月の長良川
2006年5月 「熱海 月映え ─木が匂う 月が出る ピアノが響く─」(月暦の四月望日=5月12日 新月の木国際協会と共催 熱海市・起雲閣)

2007年6月 「シリーズ 列島巡礼 ─人こそ命 土地こそ宝─ 十和田・弘前編」(月暦の四月望=6月1、2日 和船を使い十和田湖上で月見など、「列島巡礼」と名付けた旅の1回目)

同年8月28日 「月待ち in 天竜水窪 ─皆既月蝕を楽しもう─」(月暦の七月望=8月28日 西浦田楽、天竜TSドライシステム協同組合と共催 浜松市水窪町)

2008年8月 「月の長良川─水と遊ぶ 月と踊る─」(シリーズ 列島巡礼・美濃・郡上編 月暦の七月お盆=8月15〜17日 岐阜県美濃市の催しと郡上八幡盆踊りツァー 〈月〉の会・長良川と東京の共催)

こうして振り返ってみると、随分たくさんの行事を実現してきたものだと感慨を覚えます。〈月〉の会という集団の実体にとっては、特に2004年の「月の高野山」が転機となり、東京の〈月〉の会を組織的に整備し、全国に会の形成を呼びかける気運が生まれました(※)。それ以来ちょうど5年になります。

※ この催しは真言宗本山金剛峯寺教学部の多大な援助あってはじめて実現したものですが、〈月〉の会側はまだ実体が弱く、手伝ってくれる人が少ない中、東京からの参加者百数十名のためさまざまな難題をクリアーしなければならず、泣きべそかきながら仕事する始末でした。今では笑い話ですが。

「世紀の皆既日蝕」、屋久島へ

さて、2009年に計画している大きな行事は、屋久島で皆既日蝕を楽しむ旅(7月19日から23日まで)と西浦田楽と共催の仲秋名月観月祭(10月3日〜4日)。

水無月六月の朔に発生する皆既日蝕を屋久島で、という計画は昨年からあたためてきましたが、1月に入ってから具体的に動き始め、地元の方に企画案を送りました(催しのタイトル「日と月の合、出会う屋久島」)。私たちが計画する催しはいつも、月や季節を味わいながら人間の営みとしての文化を追求するという両面からなるものですが、屋久島で5分弱皆既状態の日蝕が観望される絶好の機会に、島の方々と交流を主目的の一つとして、「自然と文化」が共鳴するチャンスにしたい、というのが企画案の内容でした。

皆既日蝕そのものについても、世間で流布している一面的な理解を正したい希望を企画案には記しました。「皆既日蝕については一般には太陽のみが強調されることが多いのですが、月の暦を知る者にとっては月の存在をイーヴンなものとして強調しなくてはなりません。いつもは見ることができない新月の月を黒い月として私たちは見るのです。その黒い月が太陽を黒く隠す二つの星の合体が日蝕で、二星が同じ大きさに見える奇跡がもたらす天体ショー」。

雨の多い屋久島で皆既日蝕を捉えることができるかどうか成否は分かりませんが、私たちの受け入れのため奔走してくださっている島の方々との交流は本当に楽しみで、屋久杉はじめ島の風土の諸相を地元の方々ならではの目を通して案内していただけることでしょう。入島の制限があり、私たち東京組は総勢22人に過ぎませんが、島の方々含め50人ほどの集団でこの「世紀の皆既日蝕」の機会を生かせればと願っています。日本列島への認識を新たにできるような出会いを生みたいものです(「PTPL」という団体のウェブ上に「皆既日蝕を楽しもう」の一文を寄稿しています)。

夏至時期の満月の楽しみ

明日21日は夏至ですが、夏至を必ず含む月が月暦の五月。夏至時期の満月は年間で最も南側から昇ります。過ぐる6月7日の満月がそうでしたが、7月7日の満月も前回に次いで南側から上がるタイミングで、北側から昇る太陽との鋭い対照を見ることができます。今年の暦は五月の次に閏五月が入り(余分のひと月として特別なことを計画するといい月です)、7月7日はその閏五月の十五夜満月に当たります。〈月〉の会・東京では、この日にできるだけ電力を使わず、明かりが必要なら和ろうそくを利用して「月の学校」を計画しています(スケジュール欄をご覧ください)。

催し「卯月八日の筑波山」余韻

前回の更新でつくば市での催しを報告しましたが、その後参加者から当日の情景を謳った短歌が届きました。〈月〉の会会員の加藤さん、秋元さんから「卯月八日」と題し寄せられたもの。記念のため掲載します。

  • 神山なる筑波山に向かう朝 新緑に藤と桐のむらさき
  • 「ガマの油売り」の口上楽しけれ ことごとしきたすき姿に
  • 天に向け竹筒に盛り田の神に供えたる野の花のくさぐさ
    (以上加藤さん)
  • 山の神田に降りたたす依代と野山の花を竿竹に盛る
  • 風渡る卯月の空に草の花木の花掲ぐ天道花と
  • おほどかに朴の若葉はひろごりて真中にいます蕾本尊
    (以上秋元さん)

(了)


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