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月と季節の暦

志賀勝から一言
(2018年8月28日 月暦七月十八日)

 七夕行事と盆行事を終えたところです。七夕の七月七日は今年は8月17日。
昨年に引き続き、俳人を中心にした南アルプス〈月〉の会が「月の舟 織姫彦星 通わせて―伝統的七夕を楽しむ会」と題した集いを、天のよく見える南アルプス市の「天空舎」で開催。

参加者の投句による七夕句会も行われました。西暦7月7日では織姫・彦星と出会うには早すぎるタイミングですが、月暦で営めばいい塩梅の時季になります。

この日の夕方から夜にかけては、一週間の星々(水星をのぞく日月火木金土)が南から西にかけて集結する特別な日となり、地球含め太陽円盤を実感することできました。月に木星が寄り添い、ツーショットも美しかった。


七夕の流し素麺
(撮影:内堀里江子さん)


 特筆すべきことは、今年結成された長野県佐久市の〈月〉の会から六名の方々が参加されたこと。

長野北部から山梨、静岡にかけては一本道のような道が通じており、古来地域間の往来がありました。

明治時代以来地方が中央に従属する過程で、その道の往来は断たれてしまったといっていいほどですが、その道がふたたび生きたのです。

 そこで今回、佐久から参加された内堀里江子さんに感想を綴っていただきました。内堀さんは東京の会会員も兼ねていて、東京の会の会員紹介の一環でもあります。

 岐阜県郡上市での盆踊り行事も終えたばかりですが、これについては昨年9月16日の一言欄を参照ください(志賀)。 (昨年9月16日の一言欄へ)



「七夕句会」斎藤史子さんと保坂淑子さん(撮影:穂盛)
「伝統的七夕を楽しむ会」に参加して」
内堀里江子 農業

 月暦七月七日(西暦8月17日)、南アルプス市の天空舎にて「伝統的七夕を楽しむ会」が行われ、「佐久月の会」メンバー6名で参加させていただきました。

 南には富士山が見え、甲府盆地を見下ろす高台にある天空舎からの素晴らしい風景に、みな感動していました。
七夕様をお迎えするため、多くの方々がご尽力くださっていました。

甲府盆地の見える東の方向に二本の笹が建てられ、両方をわら縄で結び、願い事を書いた梶の葉(この日は桑の葉)と、山梨の七夕人形「お留守居さま」や七夕飾り、短冊が飾られました。

季節の花々が活けられ、中央にはウリを中心とした旬のお野菜と、素麺のルーツである索餅(さくべい : 小麦粉を練って平たく伸ばし編んだもの)がお供えされました。初めてみるそれに私達は興味津々。来年は佐久でも作ってみたいねと話しました。

願い事はサトイモの葉の朝露ですった墨で書くと言う本来の習わしを教わりました。自然からの恩恵にあやかり、風流で素晴らしい文化が日本にはあるのだなあと、実際にやって感じました。

 用意して頂いたお料理も素晴らしく、七月七日にあやかり、すべて「7つ」づつ盛り付けられていました。久しぶりに頂いた流しそうめんは「おいしい・うれしい・たのしい」の三拍子つき(月)でした!

 伝統的七夕含め年中行事には、季節の作物をお供えしつつ、自然の恵みに感謝し、家族みんな健やかに暮らせますようにと祈り、身を清め新たな気持ちで日々を送りましょうという思いがあって、お月様の暦が日常だった時代の人々には、それが当たり前だったのでしょう。

今の日本は形だけが受け継がれ、行事の意味が分からなくなりがちですが、月暦を意識していると腑に落ちる事が沢山出てきます。

 これからも暮らしに取り入れて、忘れてしまった物ひとつひとつを取り戻していけたらと思っています。

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