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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2014年2月2日 月暦正月三日)
(「二十三夜の不思議な風習」という一文を2月6日に
 掲載しました。こちらをクリックしてお読みください)

月暦新年のスタート

これ以上ないほどの春の陽気で甲午年が明けました(西暦1月31日)。新年おめでとうございます。2015年2月18日まで384日の長い一年がはじまりました。

東京では霜月に異例の寒さで真冬はどうなるかなと心配でしたが、師走は深刻な寒さでもなく、大寒を過ぎたこのごろはぬくもりを感じる温かさ、昨年の寒さを思えば 2月、3月も心配ですが新年への足音を確かに感じていました。月暦を知り、作りはじめて本当に良かったと思える一つは、真冬=寒の時季が師走であり、それを越えて正月がやって来るという実感が身に着いたこと。多くの人たちに、新年とはどういうものか考えてほしいものです。

私たちは熱海市で新年を祝いましたが、〈月〉の会・長良川の女性グループも祝いの会を開くなど、各地から知らせが届いています。「戸の月の会」の栗林孝安さんによると、二戸では月暦正月六日に「サイトギ」という地域の伝統行事(無形民俗文化財。サギッチョーなどと似た火の行事で、神楽や占い行事もあるとのこと)に参加しつつ子どもを中心にした小正月行事を計画しているとのこと。栗林さんのブログはこちら(クリック)をご覧ください。〈月〉の会・深谷では如月十六夜(3月16日)に催しを計画しています。チラシを掲げます(クリック)。なお、深谷の催しの詳細はスケジュール欄(クリック)をご覧ください。ブログはこちら(クリック)。それぞれの地域で一年の行く末を願いつつ動きがはじまりました。

冊子「月暦利用の秘訣」を発行しました


「月暦利用の秘訣」表紙

2014年版「月と季節の暦」「月暦手帳」は、いち日に相当する月のリズムが平均24時間50分という月の実態にもとづき、従来のものとは一新した体裁のもと発行しています。0時から24時の間で収まりきらない月の実態的運動、そして「晦日の月」の本当の意味にもとづいた体裁にし、月への理解を完全なものにしました。問題を理解すると、〈夜〉や〈時間〉のもつ豊かさ、不思議さに目が開き、月と太陽によって生かされていることの意味が真に迫ってくることと思います。そういうことを解説する書き物がどうしても必要でしたが、期限通り新年前に発行することができました。月を理解するために欠かせない論点を提起しています。ご注文は月と太陽の暦制作室まで(クリック)。定価700円です。

前回のお便り紹介の追伸

前回のこの欄で月の暦と子どもについて掲載しましたが、山口で塾を経営されている方からも、

塾の教室に掲げていると、子どもたちの中には「今日の月は……」と毎回気にして暦を良く見ている子もいます。
空を見上げて過ごす気持ちの余裕が嬉しいです。

という便りが届きました。補っておきます。

新情報:盆踊りと月に関して

以下は〈月〉の会・長良川の前田真哉さんに教えていただいた盆踊りと月に関する話です。

お盆や盆踊りは、現在西暦の行事になっているので、いわば魂が抜けたような観を呈しています。以前の著作で、天に円い月があり、地上に人の円い輪があるのが盆踊りの意義、ということを書きましたが、歴史的にそんな記述があるかどうかも確認せず、盆踊り歌を調べもせずに、ただ主観として述べたものでした。その後、島根・安来の月の輪おどりの歌詞に実際にあることを確認しましたが、同じ表現が白鳥おどりや郡上おどりにもあることを教えていただきました。郡上市白鳥の「場所おどり」と称される歌詞は白鳥おどりの中でもっとも古いものだそうで、その一部に以下のように月が入っています。

○ヤレそろりとヨ 輪をつくれ
  そろりやそろりと 輪をつくれ
○ヤレお月のヨ 輪のなりに
  天のお月の 輪のなりに
○ヤレお月では 恐れ多い
  天のお月では 恐れ多い

次は郡上おどりを代表する「かわさき」の歌詞ですが、月はやはり盆踊りの「主役」として人の営みを見守るわけです。

1 郡上のナー八幡 出ていく時は
   (ア ソンデセ)雨も降らぬに 袖しぼる
2 天のナーお月様 ツン丸こて丸て
   丸て角のて そいよかろ……
7 唄もナー続くが 踊りも続く
   月の明るい 夜も続く
8 日照りナーしたとて 乙姫様の
   滝の白糸 切れはせぬ……

一ヶ月もの間にぎやかに営まれる郡上おどりですが、今年の七月十五夜に当たる西暦は8月10日。日曜日で、十四夜が土曜、十六夜が月曜という絶好の巡り会わせとなる。この催事のポスター製作者はいつも月を描いてポスターをデザインしている。今年のポスターはどのようなものになるでしょう?(了)


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