志賀勝から一言 (2018年4月18日 月暦三月三日上巳)
〈月〉の会・佐久が結成されました。簡単に報告します。
月冊子第三集の刊行
「月暦利用の秘訣」、「月の女神の発掘」の二冊の冊子を刊行してきましたが、新刊として第三集「若水のために 〜月と水が親しかったころ」を刊行しました。
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| 「若水のために」表紙 (画像をクリックする と拡大します。以下同) |
| 若水ということばは現代では知る人も少なくなっているでしょうが、正月が明けるときには人びとが競って湧き水や井戸や川に急ぎ、汲んでくることが習俗でした。
年迎えには欠かせない行事で、若返りの水をいただくことで新しい年を若返りの節目として祝おうとしたのです。お雑煮など、正月に使われる水はこの若水が使われました。
重要なのは、この若水が月からもたらされると考えられたことです。
以上のような月と水の話をまとめたのが冊子「若水のために」。新年とは私たちにとってどのようなものなのかを考えるために、そして新年には「若水汲み」という楽しい行事に取り組む人びとが出てくることを願って作成したものです。定価800円。
佐久の会の発足
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| 不動尊の清水(撮影 :内堀里江子さん) |
| 今年の新年明けは西暦2月16日で、冊子「若水のために」はこの日に向けて作ったのですが、私たち自身「若水汲み」を楽しみました。長野県佐久市でのことですが、この新年明けの日に佐久市における〈月〉の会が誕生しました。結成式は、まず若水汲みからはじまり、幼児から老齢な方まで30人ばかり、雪の残る湧き水場まで足を運んで新年最初の水をいただくことからはじまり、みなで餅つきをし、お雑煮をはじめとして手造りの料理を囲んで新年を祝いました。佐久市でも「若水汲み」の風習が70年ほど前までいとなまれていたことも分かり、断絶した風習がよみがえった実感が感じられ、貴重な会となりました。
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| 撮影:内堀里江子さん |
| 〈月〉の会がさまざまな地域に生まれ、衰退を余儀なくされてきた各地域の蘇生に寄与してほしいと願ってきましたが、また一つ新しい団体が誕生し、にぎやかになりました。佐久市における自立的な活動を注視しつつ関わっていきたいと思います。
当日の会は東京の会員でもある三ツ井克子さんが運営するスペース「えんがわぼっこ」で開かれましたが、催し終了後会場前で参加者一同の写真を撮りました。〈月〉の会・佐久立ち上げの記念写真です。当日の報告を三ツ井さんに綴っていただきました。下に紹介します。
(今年になって、暦にご協力くださった石牟礼道子さん、古在由秀さん、金子兜太さんが相次いでお亡くなりになりました。特に石牟礼さんとは、大分以前の編集者時代の思い出が忘れられません。合掌。)
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| (撮影:内堀里江子さん) |
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