志賀勝から一言 (2010年7月19日)
取材旅行 ── 山陰路へ
日本列島を水浸しにした風情で梅雨が明けていきました。月暦制作のために島根県に出張して帰ったばかり。列車を利用しての片道6時間以上かかる取材旅行でしたが、車窓から見る沿線風景は、増水して激流となった川やそこら中水溜りとなっている所ばかりで、今年の梅雨の猛威が感じられました。
10月に松江市の普門院(観月庵という茶室があるお寺)で講演の予定で、この講演会をアレンジくださっている安達さん(「木の語り部」として活動している方)らに案内され、取材目的の広瀬町(現安来市、月の山を二つ擁する小さな町です)はじめ島根・鳥取を回ってきました。
何年か前、島根半島西端の日御碕神社を案内されたことがありましたが、今回は半島東端の美保神社(事代主や三穂津姫を祀っていますが、私はこの姫を勝手に月の姫と想像しています)を見ることができました。縁結びの神の元祖ともいえる八重垣神社(稲田姫を祀る)も再訪しました。この神社の境内には洞(うろ)を女陰に見立てその中に小さな男根を配した樹木があったり、巨大な男根の木彫りがあったり、本当にセンスがおおらかで開放的。感心しきりでした。念願の写真にも収められて幸いな再訪でした(笑)。(付記 松江では梅原猛さんの新刊の出雲論が大きな反響をもたらしていてとても印象的でした)
来年の暦の特集は全国各地の「月の名所」。取材が梅雨時に重なり苦慮していますが、月の町・広瀬などの写真・エッセイ特集を是非見ていただきたいものと願っています。
佐世保の催し、芭蕉と月
二十三夜の月待についてはこの欄で何度も綴ってきましたが、この行事を現代に復活している地域があります。〈月〉の会・佐世保が関わる野心的な事業ですが、先日行なわれた月暦五月二十三夜の催しについて同会代表の田中千鶴さんからレポートを頂戴しました。助産婦さんはじめ50名を越える盛会だったそうで、参加された永田さんの印象記と写真を提供していただきました。掲載を許された永田さんに感謝します。
お産や妊娠に関わる女性を中心とした二十三夜行事。この行事が、各地の助産婦さんをはじめとして全国に広がっていくことを願っています。
前回、前々回と「芭蕉と月」を載せてきましたが、中途半端にならないよう、もう一回月を際立たせる話を綴ってみました。別掲にしましたので、ご覧下されば幸いです(こちらをクリック)。
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