志賀勝から一言 (2005年12月3日)
新著タイトル『月的生活』に決定
澄んだ大気の中で、月がことのほか輝いた一ヶ月でした。皆様の〈月〉はいかがでしたか? 世は師走気分ですが、月暦では霜月がはじまったばかり、慌てることはありません。ところで、数日前の11月末のことでしたが、夏のように元気のいい蚊が睡眠を邪魔したのにはあきれました。「冬の蚊」に最初に驚いたのはもう20年以上前のことだったでしょうか、思えばわたしたちの環境がおかしくなった「兆候」のひとつでした。
さて、文庫本『人は月に生かされている』刊行から大分年月が経ってしまいましたが(この本は現在品切れ状態です)、ようやく新しい著書を上梓する運びとなりました。月や暦について理解していただくための恰好な材料がなく困っていた時期がしばらく続いていましたが、新著の刊行により解消できるのは何よりの歓びです。
西暦と月暦について、月の様々な楽しみ方について、そして近年主唱している「月の文化」についてまとめた本です。コンパクトな小著ではありますが、現代の社会的事象のひとつになった月と月暦理解のため役立ってくれるものと信じます。
仮題として『月暦のある暮らし』を掲げていましたが、正式な書名は『月的(つきてき)生活』と決定(サブタイトルは「天の鏡 月と暦と文化」というようなものになりますが、こちらは未定です)。
出版社は新曜社。すばらしい本をたくさん出している版元ですが、その驥尾に付すことができるのはうれしいことです。予価1,995円。ご注文は暦制作室でも承りますが、月暦新年の1月29日には書店店頭に並んでいるはずですので、どうぞご注目いただければ幸いです。
猛烈に暦発送作業中です
いわゆる「旧暦」を復活するとともに新しいライフスタイル創造のためのトゥールとなる可能性を秘めた月暦ですが、十周年を迎えた今回、大好評と実感される順調な出だしでスタートしています。すでに多くの方々のお手許に届いていますが、二十日あまりで6500部は発送したでしょうか。
この時期ならではのことですが、多忙に酬いる反対給付のように多くの方々からのすばらしい肉声を耳にし、お便りを目にしています。いくつかを紹介します。
――広島県のKさんは、お孫さんと一緒に暦を見たら、その子がとても喜んで暦に見入っていると興奮して伝えてくれました。お孫さんは一歳と六ヶ月だそうです。子どもの脳は、暦に示された月の形をどのようにとらえているのでしょうか? とても興味を惹かれます。認知科学の専門家に是非ともこのような研究をしてもらいたいものです。
――高知県のOさんからは、「通勤の帰り、月の美しい夜は何だかうれしくなります。今夜は六日月か? などと予測しながら、帰宅して暦をみてぴったり当たっていたりすると、『やった!』と一人得心したりしています」というメッセージ。
暦を使っているのが機縁で、はじめて仲秋の観月を友人らと一緒に楽しんだ、というお便りや、このホームページが機縁で満月の夜に月見を楽しんだ、というお便りもいただきました。
東京のIさんからのお便りはきっと皆さんのお役に立つだろうと思います。ご覧ください。
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