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月と季節の暦
「おおぞら保育園」様からの報告
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私たちは神奈川県平塚市土屋に3000坪ほど土地を借りて、そこにあったプレハブを改造してやっている園児25名ぐらいの認可外保育園です。親と保育者協同の経営で特定非営利活動法人の形をとっています。

2005年度は七夕から旧暦を意識し始めました。文月七日は太陽暦8月11日でした。この日、近くの丹沢にある、鍋割山の山小屋に年長4人と泊まりにいきました。太陽暦の7月と違って晴れていて、彦星も織姫もよく見えました。南の海側は町の明るさで、空も白く、天の川は見えませんでしたが、反対の北は良く見えましたので、北極星のこぐまや、北斗七星のおおぐまのしっぽや頭をみつけられるまで、空を見ていました。短いあいだに夜露でじっとり濡れました。

お月見は葉月十四日待宵月(9月17日土曜日)にしました。月の出は17時29分、まだプールの出ている園庭に砂の土俵をつくり、4時半ごろから総当りの相撲をします。これは奄美地方のお月見の風習に倣ったものです。小さい順に始まって学童、お母さん、お父さんと続きます。お父さんの立会いの頃には薄暗くなって月が出てきました。相撲のあとは、お供えや、お月見の夕食をみんなでいただきます。そのとき、牛若丸の奏でるような横笛の音が聞こえ、月の下の芝斜面の上で妖精がふたり、ドビュッシーの月の光のピアノ生演奏で月を愛でて踊りました。幼児たちは驚きで、目を丸くしていました。

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お雛祭り、端午の節句を旧暦でするようにしたのは、2006年度からです。今年の陰暦弥生三日は太陽暦3月31日(金)で、わたしたちにとっては卒園式の前日でしたので、ゆるやかに4月の第1週の行事にしたいと思いました。桜が満開の近くの山に散歩にでかけ、そこで、拾った小枝を使って人形をつくりました。保育者の作った藁の舟に各自摘んだたんぽぽや、拾った椿、庭の菜の花や桃の枝を人形と一緒に乗せて、近くの金目川に流しに行きました。一応皆の病気や痛みを身代わりに背負って遠い世界に禊に(流しに)いってくれるという設定なのですが、川の向こうに素敵な世界があって人形たちが無事着いてくれればいいなと思っているようです。花屋さんで買わなくても、周りの花に沢山触れることができて、春を喜ぶ楽しい行事となりました。

端午の節句は今年太陽暦では5月31日になりますから、そのあたりの土曜日で、6月3日を予定しています。プール開きと重ねて、鯉や鮎の掴み取り、料理などします。菖蒲やよもぎを浮かしたプールの初泳ぎにもなるでしょう。歴代の年長が作った鯉幟も空を泳がせます。

おおぞら保育園  玉木充子(あつこ)2006.5.6

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