暦制作室のお答え
「三光西へ行く」という表現はふつうは太陽、月、星々が西へ向かっていく情景と理解されていますが、中にはご質問のように古来もっとも人間に身近だった星の太陽、月、金星が西に落ちるシーンと理解するユニークな解釈もあるようです。
これに合致する条件を考えてみると、まず月は夕方西に見えてまもなく落ちる三日月だから太陽と月に関しては月暦で時季を判断することができます。では金星は?とうぜん宵の明星の時季で、内合(ないごう 金星が太陽と黄経が等しく、太陽の外側にあるとき)のあと金星は明けの明星となり、外合(太陽の内側にあるとき)のあと宵の明星となるから、三星が順次落ちる日にちを確定することができるということになります。
三光西へ行く、という光景の逆を思いつきました。それは三光東より来たる、という光景。この条件に合う時季は晦日に近い、明け方近くに昇る月と明けの明星ということになります。 |