志賀勝から一言 (2014年5月15日 月暦四月十七日)
助産師さんのブログに 月暦を紹介してもらいました
抗がん剤の副作用で死亡など薬害被害の報道はあいも変わらず、耐性菌が猛威をふるい、院内感染による死亡も頻発。ピルの副作用で死亡も伝えられ、子宮頸がんワクチンによる被害も相次ぐ。ダウン症の増加が伝えられ、赤ちゃんは細る一方で生まれてくる。人びとは自然界にない化学物質にますます冒され、放射能被曝まで心配しなければならない……。
医療と医療産業に支配されて、人びとは生命の危機の真っ只中を生きているといって過言でない現状です。15年位前に「病院へ行くな、薬を飲むな」を標語に著書を出した私としては、この社会はますます手に負えなくなってきた、という感がいなめません。
「月と季節の暦」を制作しはじめて、その役割の一つは月の満ち欠けや太陽の細やかな節目に日々親しんでもらうことで自然環境を身近なものにし、自分の身体について自立・自律の精神に役立ててもらうという目標を定めてきました。
生命を守る活動は私たちにとって欠かせない切実な課題になっています。岐阜県郡上市の鍼灸師で助産師でもある加藤祐里さんは、そのような活動を地域で地道に進めています。妊婦や自然育児を目指す人びと向けにブログ「もりのこ鍼灸院ライブラリー」を開設していますが、最新号を見ると、月暦の紹介を載せてくれていました。それには──
「月の変化も分かりやすく書いてあるので、小学生の子どもたちもカレンダーをみながら、
『今日は○日目だね』と眺めています。」
とあって、こういう情報は制作者にとって何よりもありがたいものですが、それよりも、上に述べたような生命の危機の時代にあって、生命を守ろうとする加藤さんのような活動の広がりを切に願ってやみません。どうぞブログを追ってみてください。(こちらをクリック)
「月の会・新月茶法」のこと
郡上市ではまた、以前も紹介しましたが、願蓮寺(浄土真宗)の庫裏で毎月朔(新月)の日、「月の会・新月茶法」が開かれており、卯月の今月で4回目になったそうです。抹茶を味わいながら暦と季節にまつわる会話を楽しむ会で、人気を呼んでいるとのこと。〈月〉の会・長良川の石神由加里さんを中心とする会で、ブログは以下の通り。
「月の会・新月茶法」
http://www.musublog.jp/blog/tsukinokai/
ユニークな連載コラムと講演録のご紹介
もう一つ紹介します。広島大学名誉教授の金田晋さんは美学の専門家で、古代ギリシアなどに大変お詳しい方です。金田さんは「ずっと旧暦の美学に関心を寄せてきた。旧暦は天体暦である。それは太陽だけでなく、太陰(月)をも取りこんだ『生命(いのち)の暦』である」とおっしゃっています。
私などは古代ギリシアの古典を読みながら、ギリシアでは太陰太陽暦が使われていたといわれるけれど、その暦の詳しい実態は私たちにより良く分かるようにはぜんぜん伝えられていない、と悩んできました。金田さんは講演やコラムを通して、ギリシアの暦や日本の歳時、歴史について大変貴重な啓蒙活動をなさっています。どうぞ以下をご覧ください。
「緑蔭は哲学の行われるところ」
http://ecoja.jp/backnumber/2013_8/ej_c_kan.html
「鯉のぼり、そして七夕の夜」
http://ecoja.jp/backnumber/2013_7/ej_c_kan.html
「おいしいコメは環境が決める」
http://ecoja.jp/backnumber/2013_6/ej_c_kan.html
「旧暦の美学 −生活とカレンダー」
http://home.hiroshima-u.ac.jp/masters/TSS-gakumon-sanpo/25-1-kanata.pdf
佐久市での取材成果にご期待ください
月暦卯月四月のページには琉球王朝の月信仰について掲載しています。「月の霊石」がかつては存在していたとのこと。その関連で長野県佐久市にある大伴神社にもやはり「月輪石」という霊石が存在することを紹介しました。その所在が気になって取材したところ、見失われていたその霊石を発見することができました。その顛末、近々不定期に連載している「発見 月の名所」の新しい項目として発表するつもりです。ご期待ください。
〈月〉の学校、昨夜の卯月例会も盛況でした
| | 卯月十六夜の満月、「月の学校」例会で吉村流上方舞・吉村桂充さんに地唄「小簾(こす)」を舞っていただきました。当夜の満月は美しい舞いに恥らったのか、残念ながら隠れたままでした。 |
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