熱海と二見
熱海と二見といえば、韻を踏んでいて何やら親しみを感じるふたつの土地ですが、この東西ふたつの町で、今年期せずして月の催しが開かれることになりました。
熱海での11月27日に行なわれた満月祭については前回報告しましたが、3月26日の満月の日に第二回満月祭が開かれることになりました。詳細は次回更新でお伝えしますが、「子どもと月」のテーマを温めているわたしとしては、熱海の海岸線に子どもたちが「月待ち」のために集まる図を夢想しています。
以前新潟の山から昇る月を待っていたことがありました。山の端が明るくなり、どんどん明るさを増していくのですが、月はなかなかでてきません。じらされて、じらされて、やっと月影を捉えたときの感無量! これが月待ちの醍醐味なのだな、と感動したことが忘れられません。
11月27日の満月祭でも、月を最初に捉えることは意外にむずかしいという体験をしました。ならば子どもたちに月待ちの体験をさせて、最初に月を見つけた子は一等賞、という企画も楽しいではありませんか。賞品は、古代オリンピックの桂冠の精神とおなじく、想い出に染みこむ月の光! そんな企画をいつか是非実現させたいものです。
つぎに二見ですが、この二見は太陽の二見としてよく知られているスポットです。西暦新年のご来光を拝む場所として著名ですし、夏至の日には夫婦岩のあいだから昇る太陽を拝む行事が毎年行なわれています。夏至の行事を中心になって企画している方に、明治初期の建物・賓日館の保存・運営に携わっている小西さんがいらっしゃいます。小西さんは、太陽ばかりでなく「月の二見」の構想も温めて来られました。
小西さんとわたしは昨年来の付き合いですが、今年の夏至(6月21日)は同時に十五夜でもある特別な日。世界の神話によく登場するように、わたしたちにとって天上の両目でもあるふたつの天体が満つる特別なこの日に、太陽・月を愛でる催しを実現しよう、と思いが一致しました。太陽・月のふたつを愛でる二見。二見の観光史に新たな一ページを記す催しになるかもしれません。詳報をどうぞお待ちください。
この二見の催しの呼びかけの目的もあって、四日市と名古屋に出向き、月暦について講演する機会を作りました。スケジュールの欄をどうぞご覧ください。
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