志賀勝から一言 (2006年3月11日)
新刊書の反響など
月暦如月、ようやく三日月を見ることができました。カレンダーにも写真を入れてあるとおり、このころの三日月は寝た姿で、秋の立ち姿とはえらく違います。舟のように横になった三日月を見て、月に行って寝っころがりたいたいと思った人はわたしだけではないでしょう。
さて刊行したばかりの『月的生活』(新曜社刊)ですが、早速に増刷とのことです。皆様の応援、感謝申し上げます。現在までに紹介、書評、インタヴューなどで本書を取り上げたメディアは、朝日新聞、サンケイ新聞、日本農業新聞、そしてこの更新の翌日3月12日には「中日新聞」「東京新聞」が著者インタヴューを掲載することになっています。このほか、ソニーの広報誌のインタヴューが4月上旬発行。
暦の方は、商品としてはすべて売り切れ、今回は早々と店じまいです。例年は9月中までご注文いただくのに、品切れとなり申し訳ありません。ただ、使うのに支障はまったくありませんが、製本いまいちのものが100部ほど残っています。
恒例「暦開きの会」
熱海での新年行事に続き、小正月の正月十五日(西暦2月12日)に恒例の「暦開きの会」を開きました。自然に則り、月のリズムで営まれるべき小正月行事が全国的に消滅・衰退するなか、その再生を願って開いているのがこの「暦開き」ですが、今回も輝く月の光に見守られながら、小豆粥をいただくなど古い由来をもった祭事をみんなで楽しみました。
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〈月〉の会オフィスで開かれた恒例の「暦開きの会」風景。 左上に月が写っています(偏平な形に写っていますが) |
月暦正月は中国では春節として知られていますが、この春節という名は1911年に作られたことばで、ことばの歴史は古いものではありません。日本で月暦正月が忘れられるとともに、横浜や神戸、そして長崎で華僑が中心となった春節行事がメディアで盛んに取り上げられるようになっているのは周知の通りです。
今年は長崎の「ランタンフェスティバル」の報道をよく目にしましたが、長崎の華僑が中心になってはじめたこの行事はまだ十数年と日は浅いですが、立派な行事に成長してきたものです(以前の暦でこのフェスティバルを取り上げたことがありました)。わたしたちも、日本に土着してきた正月行事を思い起こしながら、来年には、たとえば熱海で、大掛かりに餅つきなどしながら盛大にお祝いをというような希望も、すでに夢ではない射程に入ってきています。
新月の木国際協会との イベント共催が、正式決定
その熱海で、月暦四月(卯月)十五日(西暦5月12日金曜日)、〈月〉の会・熱海と新月の木国際協会共催による「ATAMI 月映え――木が匂う 月が出る ピアノが響く――」催しの企画が正式にスタートしました。〈月〉の会と新月の木グループが出会って催しを共催することは少なからず意義あることです。
それぞれがユニークな内容の企画を実現しようと動き始めていますが、夜の部ではあの「伝説のピアニスト」ウォン・ウィンツァンのコンサートが予定されています。月がわたしたちにもたらす生活と芸術の充実を、熱海で花と咲かせたいものです。コンサートは会場スペースの関係で150名限定。関心お持ちの方、早めのご予約をお勧めします。
「ATAMI月映え」のチラシ
〈月〉の会・東京はちょうど会員登録更新の時期です。入会ご希望の方はどうぞご一報ください。 |