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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2014年10月29日 月暦閏九月六日)

閏九月十三夜が迫ってきました!

後の十三夜パンフレット表(部分)

後の十三夜パンフレット裏(部分)

171年ぶりの機会となる「後の十三夜」まであと一週間に迫りました。20世紀に八月のあと閏八月が入った年が一度あり、「中秋の名月」と「後の名月」の二回の名月プラス十三夜の名月という三回の名月が発生しました。21世紀中にも後半に二度閏八月が入る年があり、名月が 3回の年があります。

しかし、十三夜が二回ある機会は21世紀にはもうなく、つまり最初で最後といってよい唯一の特別な名月になります。私たちは、「奇跡の名月──安藤家月待て後の十三夜」とタイトルして、俳句誌「今」編集部、しつらい研究グループの「ゆずり葉の会」、そして〈月〉の会・南アルプス、東京の共同企画のもと、南アルプス市の安藤家住宅(国指定重要文化財)で観月、茶会、句会の催しを予定しています。

各地でイベント、〈月〉の会誕生の続報も

この一期一会の機会をとらえ、催しを企画なさっているところがあります。福岡・久留米市の法林寺では、住職が今昔物語をギターと朗読で弾き語り、副住職が月について講演、さらに謡曲や表千家のお点前など、にぎやかな観月の催しを計画しているとの知らせが届きました。

〈月〉の会・佐世保は、先日起ちあがった「永久の会(〈月〉の会・佐世保市白木)」と共同で後の十三夜会を催すとのこと。

この重要な日取りに気付いていない方々がたくさんいらっしゃると思います。生涯ただ一度となる体験なので、可能な方は催事の計画を、無理な方は当日の月を心待ちにしていただければ幸いです。

〈月〉の会・佐世保の田中千鶴さんは実にアクティヴな方で、この間ホームページでアピールを掲載している〈月〉の会・佐賀、〈月〉の会・竿浦(さおのうら)、「永久の会」が作られるに至ったのはみな彼女の働きかけによるものです。これらの団体が産声を上げたことでそれぞれの地域の月の文化がどのように形成されていくか、その報告がとても楽しみですが、実はさらにまた新しく二地域で〈月〉の会が作られたという知らせが届きました。その二地域とは、長崎県西海市と長崎県対馬市。うれしくもめまぐるしい展開で、ここは田中さんにも登場していただかなくてはなりません。田中さんの一文と共に、それぞれのアピールを掲載します。対馬からアピールを寄せてくださった主藤さんは「赤米神事」をはじめきわめて重要な年間催事の維持・発展に苦闘されている方で、アピールをお読みいただければその重要さがわかると思います。

〈月〉の会・佐世保 田中千鶴さんのお便り

月の会・佐世保よりお久し振りのお便りです。2006年に月の会を立ち上げ、それ以来人生のツキ(運)まで手に入れた気分になり人の数倍楽しんでいるようです。自分自身が楽しんでいると楽しい人たちが集まってもくるようです。お月さま文化は、ただ見て頂くだけでも感動されます。満月のお知らせメールだけでも転送の転送で感動の輪が広まります。現代人は、それくらい夜空を見上げる余裕をなくしているのかも知れません。お金もかからずその感動や喜びを多くの方と共有したいと月暦の友を増やして参りました。今年還暦を迎え月暦の友も100人(プレゼントされ、ただ暦を眺めているだけの人もいますが(笑))となり、これを機会に伝える楽しさと月の文化の素晴らしさを自分流に広めてみませんかとお声をかけております。共感いただいた方々の月の会の立ち上げに大喜びしております。この輪が全国に世界に広がりますように!

心に響いた宇宙飛行士で日本科学未来館館長の毛利衛さんのメッセージをお伝え致します。この内容は、2012年10月号サライ(小学舘発行)に掲載されたものから抜粋させていただきました。
「月を愛でる日本の文化は、21世紀の人類が生き延びるための知恵となる」

「私たち日本人は昔から太陽よりもお月さんを好んで愛でてきた。太陽と比べると弱々しい月だけどその弱々しさを愛でる文化がすごく重要なことで、弱々しさのなかにこそ、生命を理解する本質があるんじゃないだろうか」

「例えば俳句や和歌に託して、だれでも自然を愛でる文化を持っている国なんて日本しかないでしょう。──(中略)──弱いものを思いやり、自分は自然の一部であると感じ取れること。それが21世紀の人類全体を救うことになると私は考えています」

みなさま、月を愛で益々心豊かに暮らして参りましょう!

「後の十三夜お月見会」を
当日午後7時より
結夢観月館で開催します
問い合わせ先 0956 80 1620
(田中)

〈月〉の会・対馬 結成のご報告



赤米神事の様子

月の会・佐世保より脱藩し(笑)、皆既月食の九月十五夜(10月8日)の日に月の会・対馬を立ち上げました。「古事記」「国生み」では「津島」と表記され、本州より早い六番目に誕生したとあります。津とは港の事で大陸との交通の要所であったことがわかります。私の住む対馬南端の豆酘(つつ)は、「稲作伝来の地」ともされていて古代米の赤米を神として祀る「赤米神事」が千数百年以上続いています。国内で赤米神事が残っているのは種子島と総社市と対馬の三ケ所のみです。18歳の時から「豆酘の赤米行事」(平成14年、国選択無形民俗文化財に認定)を引き受ける頭仲間(とうなかま)を父親から引き継ぎ47年目となりました。当番制でしたが、年に10回以上の行事は精神的にも経済的にも苦労が多く次々と仲間が減り、平成十八年からは只一人の神事継承者となりました。人間の主食である米を神様として祀り、今日まで受け継がれている事のすばらしさに妻と二人で死ぬ気で頑張っております。全国の月の会の皆さまからのご声援にも感謝致しております。日常は、漁船の船長として漁業に携わっていますので月暦は大変重宝し愛用して 5年目となりました。神事も田植えと稲刈り以外は、全て旧暦行事で夜が中心です。手伝ってくれる友人達と月を愛でながらこれからも頑張って行きたいと思います。宜しくお願い致します。

〈月〉の会・対馬 主藤公敏
(すとうきみとし)
電話・FAX 0920-57-0202
対馬市厳原町豆酘3047

〈月〉の会・西海 結成のコメント

宇宙はどうなっているんだろろう?
昔の人はどういう暮らしをしていたんだろう? 未来の暮らしってどうなるんだろう?
そんな子供の頃からの関心が、自然と月へと意識を向けることにつながりました。
僕は「守り、残し、伝えること」を念頭にデザイナーとして活動しています。妻はヨガインストラクターとして、女性と月のリズムの関係を穏やかに伝えています。この夏に移住した西海市雪浦で、山と川と海のある自然が身近な暮らしを始めています。 陶芸家、画家、お菓子職人、染色家、美術家……魅力ある雪浦の仲間たちと楽しんで発信していきます。

〈月〉の会・西海 古賀正裕
電話095-895-7939
仕事場 〒850-0005 長崎市西山本町5-50

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