志賀勝から一言 (2014年11月13日 月暦閏九月二十一日)
甲午名月三夜
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| 中秋名月 (八月十五夜=西暦9月8日、於佐久市) |
| 十三夜 (西暦10月6日、於東京・深大寺) |
| 後の十三夜 (西暦11月5日、於南アルプス市・安藤家住宅) |
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今回は「奇跡の名月」報告の一回目、次は「朔旦冬至」!、そして次々と誕生している各地〈月〉の会の再続報の三項を綴ります。
奇跡の名月
日本の文化史上おそらく初めての造語となった「後の十三夜」が過ぎていきました。
「中日新聞」にこの特別な名月の情報を提供したのが8月のこと、記者から前回はいつあったでしょうと問われて調べたところ、じつに171年前のことであり、今世紀にはもうないということが分かり、これは大変なことだと自覚した次第でした。その情報が中日新聞に掲載されたのは9月5日、それ以来この知られざる名月の情報普及に努め、呼応してくださる方々も出てきて、結果的には〈月の文化〉に歴史的な一ページが加えることができました。
私たちは南アルプス市で「奇跡の名月──安藤家 月待て 後の十三夜」と題する催しを「安藤家住宅(重要文化財)」で開きましたが、そのレポートは次回回しにして、福岡県久留米市の法林寺、そして佐世保の〈月〉の会から喜ばしいお便りが届いているので、今回まずその紹介を先行させたいと思います。
暦や私の話がきっかけで今年初めて中秋観月会をいとなんだお寺がありますが、法林寺のお話はそれに次ぐ朗報で、地域社会におけるお寺の可能性を考えさせます。なお、私たちの会のために、和菓子処・両口屋是清が「お月見ささらがた」を提供してくださり、参加者を喜ばせました。記して感謝します。
もう一つ、重要な情報を。沖縄の会員から「琉球新報」と「沖縄タイムス」が届きました。奇跡の名月が紙面を飾っており、とくに琉球新報は閏月を意味するウチナーグチ(沖縄語)の「ユンヂチ」を見出しに使っていて、地域性豊かなもの。さすがは沖縄で、日本の新聞とはえらい違いです。では法林寺のお便りから──。 |