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第八話(月暦十一月二十六日) 月は星に邪魔?

星をこよなく愛した野尻抱影(1885〜1977年)。彼の『星三百六十五夜』(中央公論社)から星と月の話題をひとつ。

月は星を観察する人によく邪魔者のように思われてしまう。実際、煌煌たる月夜には星の光はかき消されてしまうから無理からぬ話。しかし野尻のつぎのような星の見方を聞くと、月夜の星もちがった楽しみ方ができるのではないだろうか。

西暦2月、十六夜の月が昇って間もないころ、レモン黄の月の光は中空に届いているが、アルデバラーンのあたりからオリオン、シリウス、特に東南の双子、そのすぐ下の木星、プロキオーンなどが月光に浸って、ひとつひとつ水玉のようにふるえている。こういう星の見え方をかれは「月光に濡(ぬ)れて」と言い表している。

月に向いた面が片明かりを受けているという観察もしている。月の光を斜めから受けたときのことである。月の角距離(観測点から見た月−星間の角度)によってはかえってよく見える星があるとも紹介している。

(更新日:2007.1.14)


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