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月と季節の暦
志賀勝から一言(2004年5月29日)

月の高野山

わたしも加わっている<月>の会は、現在「月の文化」の再興という課題を目的のひとつにしています。昨年(2003年)、「月の秋・東京」「月の秋・仙台」「月の秋・糸魚川」という催しを連続して行なう過程でこの大きなテーマに気づきましたが、2004年にはこれら各地での成果を踏まえて、空海の拓いた高野山で月の催しが実現できたらどんなに素晴らしいことだろうと願ってきました。きっかけはふたつありました。そのひとつは、昨年二回高野山関係者を前に講演する機会を与えられたことでしたが、これを機に月と高野山の切っても切れない密接な関係を学んだことがもうひとつの重要な契機となりました。

高野山は日本における「月の文化」のいわば一大発祥地。空海は月を観じて瞑想せよ、と指示しています。月には諸相がありますが、そのうちの満月は、円さ、明るさ、清らかさ、完全さを示すものとして人間の目標を教えるものでした。月のこのような側面は仏教の糧となり、仏教文化に欠かせない存在でした。

仏教はいわば「月の文化」を育む母体だったわけですが、月暦が生活から排除されるにつれ、月をわたしたちは忘れ、「月の文化」も分からなくなってしまったのは無理からぬこと。現代は、人間的なさまざまなものの回復が静かに進行している時代ですが、月のリズムを取り戻そうというのもそのひとつ、日本に根付いた仏教のなかでももっとも古いもののひとつである真言宗の総本山・高野山で月の催しを開催する意義は実に大きなものがあるとわたしは考えています。

8月30日は十五夜満月の日で、月暦では七月十五日に当たります。本来ならばこの日は正式なお盆に当たる日です。現在のわたしたちの感覚と違いがありますが、立秋ごろからはじまるこの七月は、秋がはじまる月でした。この月には七夕、お盆があり、翌八月には仲秋の名月がひかえています。七夕(今年は西暦8月22日)からすぐに連続してお盆に入る、というリズムが古来のしきたりで、考えてみると魅力的な時間と文化の共鳴です。

8月30日の催しを、わたしたちは「月の高野山」と名づけました。主催は真言宗総本山・金剛峯寺、わたしたち<月>の会が共催です。大阪を中心に、東京、長崎の<月>の会がこの催しの成功のために力を注いで働いているところです。

金剛峯寺において、月の講演を聞き、満天下の大伽藍において、満月のもと、千年を越える歴史が作り上げた宗教的芸術とピアニスト・ウォン・ウィンツァン氏による即興演奏を楽しむ催しを企画できたことはほんとうに喜びです。そして瞑想の体験も提供されます。

わたしたち<月>の会は、

行こう、月の文化の源流へ。
出会おう、満つる月の光のもと。
を合言葉に、山での一夜、全国から駆けつけた月を想う人々と時間を共にしたいと願っています。読者の皆様、どうぞこの稀有な催しに奮ってご参加ください。

「月と高野山」のお問い合わせは高野山観光協会(電話0736−56−2616)まで。ヴォランティアスタッフも募集しています。

この催しに関連したHPはつぎのとおりです。

金剛峯寺
ウォン・ウィンツァン氏
<月>の会・大阪
<月>の会・長崎

「月の高野山」(金剛峯寺主催、<月>の会共催)のお知らせ
ポスター

空海生誕から1230年、入唐から1200年。

空海が修禅の場として開いた高野山は、この間、日本の宗教・文化の聖地として屹立し、高野山真言密教の重要な瞑想法、月をモチーフにした「阿字観」を受け継いで、豊かな月の文化を育んできました。

空海が産声をあげたのも十五夜満月の日。この不思議な月の縁にちなみ、2004年8月30(月)日、月の暦では伝統的なお盆にあたる十五夜満月の日に、聖地・高野山にて月に集う会を開きます。

大宇宙との一体感が味わえる「阿字観」に触れ、満月を寿ぐピアノ演奏を楽しむひととき。満つる月の光のもとに集い、月尽くしの秋の夕べを満喫いたしましょう。

 一切の 見えて月夜の 高野山
 (可知あきお作 第一回高野山21世紀全国俳句大賞・和歌山県知事賞)

さあ、この日だけしか味わえない満月との出会い、8月30日・月の高野山へ。

(参加には事前申し込みが必要です。当日クルマでの来場はご遠慮ください)
日時 2004年8月30日(月)14:00〜

◎阿字観とは
真言密教の中心的な瞑想法として有名なもので、宇宙との合一を目標とする瞑想法です。そしてこの瞑想には月の存在が欠かせません。十五夜満月の下、阿字観指導者による本格的な瞑想への手ほどきを受け、「阿字観」瞑想を体験しながら、月、そして大宇宙との一体感を味わってみませんか。

会場 高野山
大師教会本部・大伽藍広場
参加費 ご参加のみ/2,500円
ご参加<夕食弁当付>/4,000円
ご参加とご宿泊
<宿坊費/夕・朝食付>
/10,000円
どうぞお泊まりになって、奥の院までの散策をお楽しみください。
タイムスケジュール
13:00 開場(大師教会本部)
14:00 昼の部・開演

開会式・記念講演
●「月に生かされて」
志賀勝(<月>の会)
●「太陽の文化と月の文化と密教」
松永有慶
(高野山大本山寶壽院門主、
 高野山大学名誉教授)
16:30 自由行動
17:30 開場(大伽藍広場) ※雨天の場合は高野山会館で行います
18:00 夜の部・開演

月夜のピアノコンサートと密教瞑想法「阿字観」体験
●月に捧げる
(金剛流御詠歌・宗教舞踊・華道高野山)
●「今宵、高野山の満月を!」志賀勝
●ウォン・ウィンツァン
「月の高野山」記念ピアノコンサート
●瞑想法「阿字観」実習
21:30 閉会
◎お問い合わせ
高野山真言宗教学部 TEL0736-56-2011
<月>の会
東京 TEL 03-5246-5588/大阪 TEL 072-751-3940
/長崎 TEL 095-823-3829/e-mail koumyo@tsukinokai.net
◎お申し込みのお問い合わせ
高野山観光協会 TEL 0736-56-2616

西暦8月――満月から満月へ

ひと月というのは月が地球を回る一サイクルのことで、平均29、5日になります。だからひと月は二十九日か三十日からなるはず。西暦(太陽暦)のひと月はこの月のひと月を踏襲したものですが、自然を根拠にした裏づけはありません。しかし、月の29、5日を越える日数が西暦のひと月ですから、おもしろいことがまれに起きます。一ヶ月のなかに満月が二回ある! という月があるのです。8月にそのめずらしいチャンスがめぐってきます。8月1日と8月30日がともに満月、英語圏では後者をブルームーンと呼ぶそうです(8月1日は月暦では六月十六日に当たり、むかしだったら夏祭の最高潮に当たる日です)。

前記のとおり、8月30日、<月>の会は金剛峯寺のご協力を得て満月祭を催すことになりましたが、8月1日の満月にも催しを企画しているグループがあります。満月の塩作りでおなじみの三好良社がその母体ですが、月の聖地・月山を望む羽黒三山のどこかで満月祭をと、今現地の方々と場所などを調整中です。

8月――満月から満月へ。月山と高野山という東西の地で満月を祝う催しが実現したら、月を楽しみ、月と親しむわたしたちの月の文化に大きな一歩を記すことになります。進展をご注目下さい。

「伝統的七夕」

七夕を梅雨時の西暦ではなくきちんと月暦でいとなもうという一昨年来の動きについてこのHPで何度か取り上げてきましたが、8月22日(日)のその七夕当日、四日市で七夕祭をやろうという企画が実現の運びとなりました。その企画を中心になって進めている四日市の「ミナモ・カフェ」の経営者・小林さんが進展状況をメールで伝えてくださったので、以下紹介します。

8月22日の件ですが、時間が決まりました。
18時45分開場、19時開演です。
四日市市が後援になりました。
物販も可能ですので、何か販売できるものが> ありましたら、持参してください。
詳細が決まりましたら、改めてお電話させていただきます。
チケットはミナモカフェで販売しています。
1枚1000円で前売りのみになります。
四日市の夏の最大のイベントになりそうです。
お手数をおかけしますが、
よろしくお願いします。

minamo cafe
http://www.dual-arts.jp/minamo/

「中日新聞」「東京新聞」に掲載

4月に中日新聞の井上記者が来訪、インタヴュー記事が4月25日の「中日新聞」、26日の「東京新聞」に掲載されました。転載します。

中日新聞の紙面

1月25日に掲載された「サンケイ新聞」のインタヴューも転載しておきます。

産経新聞の紙面


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