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月と季節の暦
志賀勝から一言(2004年7月4日)

知恩院・知恩院布教教会主催
「おてつぎ文化講座」で講演

6月12日、京都に出向き、知恩院主催の文化講座で講演しました。講演タイトルは「月に生かされる―暮らし・仕事・文化―」。


講演ポスター
知恩院は浄土宗の総本山、開祖は法然上人です。法然の有名な和歌に、「月影のいたらぬ里はなけれどもながむる人の心にぞすむ」があります。前半で天を運行する実際の月を呼び起こしながら、後半「心の月」を強く打ち出したのがこの和歌です。「心の月」というのは、月から人間が学んだ独特な精神文化で、平安時代から中世にかけて成立したもの。西行、吉田兼行など、そして芭蕉などの俳句の世界に引き継がれ、樋口一葉にも大きな影響を与えました。

講演会の様子

講演では、法然上人を機縁としたこの「心の月」を中心に話しましたが、場所が京都でしたから、まもなく始まる祇園祭にも触れました。祇園祭は山笠・山鉾を全国に流行させ、日本の祭の風景を一変させた祭、これはかつては月のリズムで行なわれていたわけですが、同時に月暦六月の祭として、一年の半分を締めくくる節目の祭でもありました。今日にも生かしたいその祭の意義を伝えたかったからです。

祇園祭が月のリズムに戻るのはむずかしいかもしれませんが、講演のお陰で懇親会ももて、京都にも「<月>の会・京都」を作ってはと呼びかけることができました。その後月にご縁のある方々が7月2日満月に知恩院を借りて会合しましたが、9月28日仲秋の名月に賀茂川で散策会をしようと決めたとのこと。今後の京都の動きが注目されます。知恩院の関係者の皆様、貴重な機会を与えてくださって誠に有難うございました。

講演後の懇親会の様子

<月>の会は、名古屋でも形成に向けた動きがはじまっています。日本の各地で、地域の独自な月の文化が生まれていけばいいな、と夢ふくらみます。

高野山、世界遺産に

7月1日、高野山をふくめて「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたことは報道されている通りです。月暦七月十五日(西暦8月30日)に真言宗総本山・金剛峰寺が主催し、わたしたち<月>の会が共催する「月の高野山」は、世界遺産登録記念の文化事業の意義をあたらしく付け加えたかたちです。当日は全国から多数の方々が参集すると思われますが、どうぞお早目に高野山観光協会までご予約下さい。東京からは観光バスを用意して山に入るよう準備しています。交通費は断然安くなります。ご参加希望の方は時間があまりありませんので、<月>の会・東京(電話03−5246−5588)まで急ぎご連絡下さい。

西暦8月の月のイベント

前回お知らせした通り、西暦8月は満月が二回あるチャンスです。「月を楽しみ、月と親しむ」、月とともにある生活をお楽しみ下さい。8月1日の月山における満月祭、8月22日の四日市の七夕祭の詳報をまもなく掲載します。

お知らせとお詫び

月暦を使っておられる方々の声を、まもなく掲載します。どうぞご覧下さい。

なお、前回の更新では、転記ミスにより7月満月を2日のところ3日にしてしまいました。お詫びします。

今年の季節の成り行き

月暦五月は「月なき月」ということばで有名なのですが、満月をはさんで連日うつくしい月が拝めました。キャンバスに浮き彫りされたような存在感ある月でした。関西では残念ながら満月は見逃したそうです。 月が見られることはうれしいのですが、高温、空梅雨、梅雨時の乾燥、異常潮位など、地球に深刻な異変が起きているのではないかと心配な季節の成り行きです。

日経文化欄の話題

「日本経済新聞」6月26日文化欄に「季語改革論争」が掲載されています。わたしのコメントもありますが、俳句界の大御所・金子兜太さんの「季語が伝統文化の最後の砦となって、それを守ることがむしろ現代批判になるという心情は理解できる」というコメントがとても印象的です。


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