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月と季節の暦
志賀勝から一言
(2011年6月23日)

今回は「月の名所十二選余話第五話」を中心に更新しました(「第四話」は、5月17日に掲載済み)。

この欄では、お便りと6月5日に開かれた私の講演会「再生の月に願う―災害後の暦と月―」のレポートを掲載します。5月に開いた「月の学校」では「大地を守る会」の戎谷徹也さんに「災害後の農業の行方」のタイトルで話していただきましたが、戎谷さんのブログにそのときのレポートなどが掲載されています。こちらもどうぞご覧ください(クリック)。

皆既月蝕のお便りご紹介

まず先日の皆既月蝕について。暦の中の情報や BCCによる通信で皆さんにお伝えしましたが、東京などでは不発でした。以下は、観光中のトルコで見たという方からのうらやましいお便りです――

いつも通信をいただき、ありがとうございます。16日早朝の皆既月食のことは、暦で拝見していたのですが、たまたま11日から18日までトルコに出かけることになり、バタバタしていてすっかり忘れておりました。トルコは時差がマイナス6時間ですので、食の始めが15日21時22分でした。夕飯が済み、ツアー一行がそれぞれ部屋に入って休んでいたところ、ギリギリで月食のことを聞き付けた添乗員さんが、各部屋を回って、月食ですよ!と教えに来てくれて、初めて、ああ、そうだった、と思い出しました。幸運なことに、私たちの部屋の窓がちょうど西南の方を向いていて、寒い外のテラスに出なくても、窓辺に椅子を引っ張ってきて、ゆったりと月のショーを見ることができました。(その日私たちが滞在していたのは、トルコ中部のカッパドキア地方のギョレメという、一日の寒暖差の大きい所で、その晩の気温は12、3度だったと思います)その日は雲一つない星空で、日本にいたら恐らく目覚まし時計をセットするのも忘れてぐっすり寝ていたであろうところ、月見にはちょうどいい時間に、最高の気象条件で見られて、天から特別な贈り物をいただいたような気持ちでした。

古民家ギャラリーでの講演

次に、6月5日の講演について、〈月〉の会・深谷の栗林さんのレポートです。

月の青い光が届きますように
〈月〉の会・深谷  栗林孝安
春だというのに、鬱々とした日々が落ち葉のように心の庭に降り積もっていました。3・11の未曾有の大震災と福島の原発事故。多くの命が流され、美しい日本の海と国土が汚された悲しみに、心も体も身動きできないまま 3月は過ぎていきました。

4月に入り、こうしてはいられないと、まず心が動き出します。前々から企画していた〈月〉の会・深谷と古民家「かぐや」の共同で、志賀さんのお話を聞く会の準備の始まりです。

動き出したら早いもの、「再生の月に願う」という演題が決まり、チラシの印刷を「かぐや」の井上さんにお願いし、深谷シネマにチラシを置いてもらい、保育園にも頼み、知り合いに手紙を出し、お誘いの電話をかけ、よろしく事が進んでいきました。

一方、志賀さんや井上さんとの打ち合わせ、二十二夜塔の下見、菖蒲やサツキや半夏(カラスビシャク)の調達、竹水の算段、お昼や夕食処の予約など足早に準備を進め、講演会当日の 6月5日(月暦五月四日)を迎えました。


「かぐや」で講演する志賀

講演した古民家「かぐや」では月をあしらったぼんぼりを横に話をしました。具象的にこの月の景が描かれたなら、この月は十日ごろの月で、南から西の方に向かっている光景でしょうか(志賀記)


穏やかな月の晩に青い光が降り注ぐように、碩学の志賀さんのお話は、集まった四十人程の胸の裡に差し入りました。古民家「かぐや」のしずもる不思議な空間と相まって、参加者の心に新しい価値観の細胞が生まれたことと思います。月の青い光は、心だけでなく体の再生にも関わっているのではないかというお話に、これからも日ごとお月様と向き合っていこうと思いました。

「先日は月の会の催しに参加でき新たな発見、ものの見方など感じることができ、うれしく思いました。帰り道、激しい雨の中、道に迷ってしまいましたが、心の中はゆったり明るく穏やかでいられました。誘っていただきありがとうございます。」参加者の一人からうれしいお手紙をいただきました。

〈月〉の会・深谷は月暦2006年12月の三日月の日に誕生しました。これまで、七夕の会や天体観測、鐘撞堂山の十五夜の月待ち、赤城や下仁田での若水取り、月一度の自然農法の野菜の共同購入、和蝋燭・燭台の販売、養蜂家や陶芸家との交流等を行ってきました。会はまだ細い三日月のままですが、再生の時代を迎え深谷だけでなく、近隣の埼玉や群馬の月の匂いのする人達と月光を浴びるとともに、まだ月暦を知らない周りの人にも、月の青い光を届ける活動ができたらと思っています。

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